Major Works
Selected Works
旧山崎屋リノベーション
-解体転用可能性を実装する-城下町として栄えた高取町の目抜き通りである土佐街道沿いに建つ幕末安政の頃建設された建物を改修しUターンしてきたご家族5人の住まいとした。大正時代には呉服屋「山崎屋」として利用され現在に至るまで増改築が繰り返された痕跡が残る。町に残る古い町家の屋根には高取城の瓦が転用され、街道の石畳は阪神淡路大震災の復旧工事で出た石が活用されている。山崎屋の軸組も転用材の利用が多く見られ、町全体から個々の建物に至るまで無駄なく古材を再利用しながら時間を繋いできた。既存建物の魅力的な特徴の継承及び、ひと家族の住まいとして余りある部屋数、床面積の為、大がかりな軸組の組み替えは行わずに、既存間取りをそのままトレースし必要諸室を割り当てた。街道を歩く観光客に開放する場所を設けるなど町との繋がり及び子供達が走り回る大きな庭との連続を考慮して土間を拡張し、それらへの抜けを保持しながら桁行方向の耐震性能を上げる為、桧で構成された華奢な鳥居型の貫壁を複数本梁間方向に重ね合わせた連続貫壁を4組配置した。more information
清水の森長屋
ノコギリ屋根をもつ5棟の木造長屋です。全住戸南面採光かつ東西に生まれる生産緑地に面した静かな裏の共有デッキとバス通りに面した賑やかな表広場に全住戸からアクセス可能です。 車の往来が激しい国道沿いは車に蹴られて地面付近が認識されにくく町の表情は道路から少し上で決まる為、ファサード下屋庇を境に上下表情を変えています。上部は単一の仕上げと明確な幾何図形で構成され国道の背景をつくり、対比的に下部は住み手の為の生活の背景です。5棟を繋ぐ大きな庇をつくり、その軒下がコミュニティースペース的な役割を担う事を願って設計しています。植栽、設備機器目隠し塀、手すり壁等がレイヤー状に重なり合い、敷地の一部を公共歩道として開放し、交通量の多い町に対して完全に閉じること無く適度に開かれた、今までに無かったロードサイドでの新しい長屋の形式。レイヤー壁の隙間に水場やベンチ、階段が設けられ、建物の雁行配置と相まって、変化に富んだ「あふれ出し」的な賑わいを生み出しています。植栽帯との間は昔ながらの長屋前の路地と考える事も出来ます。更に外壁は様々な材種のアリ幅で構成し、その並び方を検討する事で各住戸間に差異とまとまりを同時に実現しようとしています。more information
御所町プロジェクト A+(アプリュス)/宿チャリンコ/洋食屋ケムリ/桜茶屋
ー背割下水とアンチノミーー 御所まちの奥行きの長い敷地の背面を流れる江戸時代に築造された背割り下水は、ほぼそのままの形で大切に保存され今も機能している。水をコントロールできた事で奥に緑豊かな庭やハナレ、工場、蔵などが自由に増築され、町並みをつくる表通りとは背反する風景をつくっている。建物の間を縫うように庭や土間といった屋外、半屋外空間が張り巡らされ内外複雑に絡み合い、風が抜け、光が差し込む。連歌のように増築を重ねたあらゆる時代の建物の間に想定外の不思議な場所が生まれ計画された表とは違った魅力がある。過去に遡れば表通りに面した土間は商売する場所として開放され、通りから土間へ人が流れ、奥にある作業場や蔵から物が運ばれ、子供達は勝手に土間から敷地の奥まで入り込み遊んでいた。人々が表通りから奥まで頻繁に行き来し、表と裏が繋がっていた。表から見えないが故に長らく未利用のまま放置され傷みも激しい奥に残る多くの建物を再生し、表とは異なった豊かさをもつ空間を表通りに表出させる事で町の空間体験に厚みが生れる。まちの一角にある「旧花内屋」を少しずつ改修し、生活や仕事する場所として整えてきた2011年より現在に至るまで、平行してまちの大小様々なプロジェクトに携わってきた。御所まちには江戸時代から続く職住一体の大きな町家が数多く残る。現在でも住みながら商売をしている人々が多く、職と住が混じり合った独特な活気を生み出している。生活も商売も町と密接に関わる為、町のこれからを真剣に考える人が多い。そんな町に魅力を感じ近年県内外から移り住む人や、飲食や宿泊等の新しい事業を始める人も増えてきている。セルフビルドから会社組織まで規模も背景も異なるが、まちの小さなスケール感がまちづくりに関わる人びとを緩く繋げ面的な広がりを生んでいる。 表と裏、職と住、観光と日常、個人と組織、新と旧といった様々なアンチノミーが複雑に重ね合わされる事で、町に生き生きとした活気が生まれる事を期待したい。more information
辰巳蔵
旧花内屋敷地南東角に建つ「辰巳蔵」を事務所にリノベーションした。蔵の西側に建つ長らく使われていなかった旧荒物屋を道に開放し奥に隠れていた辰巳蔵を通りに現わす事で、西側の裏道と北側の表通りから続く通り庭を辰巳蔵を介して繋いだ。長大な高塀で囲まれた人気の少ない裏通りから敷地奥にある辰巳蔵の内部が見え、更に奥にある通り庭の気配も感じる。辰巳蔵と旧荒物屋の間に設けた半屋外の光庭は、蔵内部に光を取り込むだけではなく、層状に重なった空間構成を照らし裏通りに表出させる。旧荒物屋の天井、壁のベニア仕上げを剥がし、耐震検討の上残された下地の荒板と中から現れた土壁や厨子2階の床板をそのまま見せている。古建具と古材を保管する場所とミセという関係であった辰巳蔵と旧荒物屋の役割を反転させる事で、通りからミセ空間(事務所)まで引きをとり、荒物屋は保管場所だけでは無く、事務所の拡張として利用しながら通りから自由に出入り出来る土間空間として町と繋がる。壁土を落とした後に残った既存貫越しに、辰巳蔵に新しく耐震補強の為挿入された貫立体格子が重なり合って見え、その向こうに漆器を保管してある「入れ子蔵」の扉が見える。その上は事務所として利用している。 土蔵の柱が全て1,2階の通し柱である事を利用して、2階の耐震要素の50%を1階の耐震要素に加えることが出来た。これによって1階は机天板の支持を兼用する最小限の耐震壁だけを設置した。既存蔵の外周に張り巡らされた貫壁のパターンを3次元で展開し、耐震要素でありながら、西日を受け深い陰影を作り、模型を置く等の棚板の支持体にもなっている。more information
(写真撮影 笹の倉舎 笹倉洋平)
桜坂の板倉
-山に捨てられた杉大径木で構築する高耐力板壁構造体-奈良県は戦前から植林された樹齢100年を超える大径木スギ人工林の蓄積量が極めて豊富である。あわせてここ30年の間に、全ての材を余す事無く搬出出来る、5人程度でチームを組み山の上に架線を張る「架線集材」から、高値で売れる一番玉や二番玉を厳選し一本単位で搬出する一人でも作業可能な「へり集材」に移行した事で、売る価値がないと判断された残材ではあるが径の大きなスギ丸太が数多く山に放置されたままとなっている。高耐力板壁になり得る事で大量のスギ廃材に価値が生れ有効活用され山の風景を変えたい。 集材、製材、加工場のある吉野から車で2時間程度の場所にある神戸市の住宅造成地に建てられた夫婦と子供3人のための住居である。上下階で静かな大人のための場所(ラウンジ)と賑やかな子供のための場所(リビング)とを分け、ダイニングキッチンを両者の間に挟んでいる。この3つのレベルに神戸港を一望できる屋上階を加え、計4つの床レベルをつくり、真ん中に設けた越屋根をもつ幅半間の細長い吹き抜け廊下がそれらを串刺しにしている。廊下は動線集約ゾーンであると同時に、夏は卓越風から形状決定された越屋根が巨大な換気装置として、冬は大きなガラス面が巨大な集熱装置として働く。more information
(写真撮影 笹の倉舎 笹倉洋平)
福神の森
敷地は奈良県中部にある大淀町福神地区の森を切り崩し造成した新興市街地の端に位置し、果樹園、農地、雑木林の間に製材所、工場、資材置場などの生産貯蔵施設や民家が混在した市街化調整区域と接する。戸建て住宅+住宅のクライアント夫婦が作る菓子製造販売所+知人が営む地元産材を使った食堂+野菜畑及びその農作業小屋の一体的計画である。私的な計画であるが、ご夫婦には共に暮らす近隣の人々が楽しめるように町全体の環境をより良くし、更に広く大淀地域全体の魅力を伝えて盛り上げたいという強い希望があり、それらを実現する為自ら多くのアイデアを出し必要な交渉も積極的に行っている。敷地南には樫林があり、その向こうに市街化調整区域が広がる。将来この土地を借り樫以外の雑木や下草を伐採しそれにより思いがけず生まれた空地を繋げてケモノミチのような魅力ある散策路を作り敷地と樫林を繋げたいという構想を持っている。住宅の南にある雑木林から様々な雑木や苔を敷地内に移植した。時間をかけて周囲の森に溶け込み、敷地境界をはみ出し周辺環境全体を巻き込んで新しい福神の森をつくっていきたい。 建物は全て敷地から数十分程の製材所から運ばれた吉野産天然乾燥材でつくられている。設計の初期段階から製材所に入ってもらい、木材の選定と設計、構造検討を同時に進めていった。エンジニアリングウッドを使わずに、豊富にストックされているにも関わらず有効活用されていない大径木を使って大きな軒をつくっている。木材だけではなく、菓子販売や食堂に携わる方々が、周辺地域で製造、生産される家具や食材などを積極的に取り入れ、地場産食材等を販売するマルシェを行い、外に向けてその良さを発信する事で、より広く地域全体の再生に繋げている。
more information (写真撮影 笹の倉舎 笹倉洋平)
今井の町家
-気積と土間-奈良県中部今井町の伝統的建築物保存地区内にある平入民家を改修し、家族4人の為の住居を作った。町並みをつくる民家には今も通り土間が数多く残っている。表通りから裏庭に抜ける既存の細長い土間を1階の床面積の1/2まで拡張し家の中心に据え、建物全体を多機能化した大きな気積をもった一つの土間空間となるように改修した。外と地続きの土間は、料理をし、食べ、湯場を楽しみ、洗濯し、顔や手を洗い、歯磨きし、便所に行く、生活空間そのものであると同時に、戸口前の軒先や裏庭との一体的な利用による半屋外的な活動も可能である。 静かな郊外での暮らしと人が集まる都市での仕事や娯楽を楽しむという関係が曖昧になり、食事をし、子供と遊び、家事をする日々繰り返される暮らしの全てのシーンを楽しみ、更にその暮らしの楽しみの延長線上に仕事(在宅勤務)や娯楽があるという状況が加速している中、住居の新しいあり方を模索する上で、大きな気積や多機能化した土間はひとつの手掛りになると考えている。(写真撮影 笹の倉舎 笹倉洋平)more information
明日香の大中小架構
-異なる時間の枠組みに応じた在来架構の新しい形-この地域は細かく景観形成基準が定めてられており、屋根形状や外壁など外形に非常に厳しい規制が掛かっている。いわば内とは無関係に外を作る原理が既に決められている。先ず初めに規制に従った外形を大架構により作り、その中に外と無関係に内形を作る3つの中架構を大架構から部分的に吊ったり寄り掛けたりしながら置いた。更にその中に小さな木箱で作られた小架構が上位架構の隙間に入り込んだりレベルの異なる中架構同士を繋いだりして、単なる木の架構物を、生き生きと生活出来る魅力ある空間に昇華する役割を担っている。大架構は数十年から百年単位、中架構は数年から数十年単位、小架構は数ヶ月から数年単位という時間軸で改変する事を想定している。架構同士の間に生まれたズレは、空気環境を調整する土間や縁になったり、天井裏のような籠もれる場所や、想像力をかき立てる大小様々な隙間をあちらこちらに生み出している。古い民家が点在する里山の風景に寄り添う外観にするという規制からはじまったこの計画は結果的に内部もこの地域の農家型民家のおおらかな形式を踏襲している。(写真撮影 笹の倉舎 笹倉洋平)
広陵の家
奈良県広陵町に昭和26年に建立された2階建ての母屋の庭に約15坪の小さな平屋のハナレを増築した。この家を生家とするご主人と奥さんが週末にゆっくりと過ごす為の場所である。この家の中心は母屋とハナレの間にある「庭」である。長年に渡り大切に育てられてきた木々や草花を出来る限り伐採する事無く建物の配置が決められている。それ故必然的に生まれた雁行する壁面が小さな屋内空間に面積以上の奥行きをもたらしている。更に外壁の凹凸により庭が緩やかに区画され、小さなアルコーブのような魅力的な場所が、あちらこちらに生まれた。そこにかつて母屋の屋根に据え付けられていた瓦や石等が配置され、場所毎にキャラクターが作られている。(写真撮影 笹の倉舎 笹倉洋平)
大和蒸溜所
混ざり合いを加速させて活気を生み出す市松模様の壁
「西蔵」、「旧花内屋」に続く御所本町通りでのプロジェクトである。西蔵の真向かいにある築100年を超える町家の一部を、古来よりこの地で育まれたボタニカルを詰め込んだクラフトジンの蒸溜所にリノベーションした。1階には蒸留器が設置された作業土間の他、バーカウンターを併設した大人数が入るダイニングスペースとして使用可能な板の間、ゲストルームとして利用できる畳の間があり、2階にはミーティングやプレゼンテーション等に利用できる大小2つの空間が設けられている。既存建物は内部に壁が一切無く、全ての建具を取り外すと7間半×5間のワンルームになる。そんな厨子2階切妻の巨大な空間の開放性を生かしながら、テクスチャーや色の異なる2種類の透過性ある市松模様の壁を新しく挿入して耐震補強し、複数のプログラムに合わせて空間を緩やかに分節している。 (写真撮影 笹の倉舎 笹倉洋平)
西寺林の微地形
「ならまち」の北西に位置する西寺林は江戸から明治にかけて建設された町家の面影が残る商店と住居が混在する地域であり和楽器、呉服、喫茶、焼鳥、古美術、宿といった多種多様な店が軒を連ねている。そんな商店街に面した間口5.5m×奥行き35.5mの空地に新しい町家を計画した。当面3つのプログラムを想定している。住居(ルームA、B)と和楽器とクラシックのコンサート及びレクチャーホール(ホールA)、通りに開放されたギャラリー兼不定期の生け花教室(ドマA)である。居住空間も含め用途は固定せず、建物を使いながら魅力的なプログラムに常に新しく更新していくような建物を目指している。どのようなプログラムが複数同時に入ってきても受入れる事が出来る柔軟で強固なジオメトリーが求められた。天井、床、壁の形状決定に3つのパラメーターを設定し、間口3.6m×奥行き26.6mの細長いがらんとした倉庫のような門形連続フレームの空間に不均質なバラツキをつくっている。マクロにみると大きな起伏のないフラットな空間であり、ミクロにみると空間のムラが作り出す地形が立ち現れてくる。この地形を手掛りにして住み、働き、学び、遊ぶ場所を自由に作る事が出来る。天井には地震や風といった水平力に対する鉛直構面の剛性のバラツキを可視化した、全て角度の異なる28枚の山形フレームを半間ピッチで連続配置し、天井高さ、明るさ、見通しのバラツキを生み出している。床面は南北に緩やかに傾斜する町の地形をトレースした4つのレベルとその高低差を利用した階段状の床で構成され、壁面は手の動きと想定される物の置き場所のゾーニングにより決定された配置交換可能な3種類の奥行きを持つ420枚の棚のランドスケープとして計画している。古い民家や町家が所有者や用途をかえながらも時代を超えて残り、その地域の風景を作るように、この新しい町家も西寺林で生活する人々の為に利用され、様々な人や物、活動が混在する活気ある風景の一部となり、長く地域の人々に愛され続ける建物になることを願っている。(写真撮影 笹の倉舎 笹倉洋平)
Hanauchiya Renovation
-Revitalize the “Machiya” (*1) in town again-
There are many areas in Japan where the aging society advances and the closed community becomes a problem. This house is renovation of a “Machiya” built more than 180 years ago in the town which has the same problem while the traditional industry and traditional cityscape remain. The characteristic of this house is “Doma”(*2). Doma has a multipurpose function to create a place where “new exciting things” are born, which is difficult by the conservative only “public” or only “private”, and it exists to release this house to the town. Here, they exhibit installations in collaboration with neighboring people, or use Doma as a gallery and tea ceremony.(*1 ) “Machiya” : Japanese traditional building type of dwellings of merchants and craftsmen in town built directly facing the road.(*2 )“Doma”: A space indoor, leaving the floor without paved or finishing with plaster (stucco) or concrete and tiles. It is usually used with shoes. In Japanese traditional houses, it was used for multipurpose as workspace such as cooking, aisles and storage.In the past, this Machiya was running a business of Kimono’s clothing with a shop name ” Hanauchiya”. The area of the site is over 600 ㎡, besides the families,the employees always stayed overnight, and many of the guests and neighboring people frequently visiting. Without distinguishing between public and private, Machiya created exuberant energy. What I do this time is to make a mechanism to create liveliness again in town.Removing the old walls and old doors to open and connect the rooms with each other through the Doma and the spot garden. From town
street to the residential area ,they continue without distinguishing between inside and outside, old and new. The installation expanded to the residential area where people enter freely and discuss in the tatami rooms and sometimes tourists come into the garden aimlessly.In order to keep updating use in the future, all materials from finish to structural reinforcing members can be easily assembled by wedge etc , without using adhesive , so that they can be disassembled and reusable. They are made by Japanese cedar, Japanese cypress available in the neighborhood, we also reuse existing old mud wall and other materials as much as possible. Recycled mud has a function to adjust the
extremely high humidity and wood frame bound with wedge is seismic reinforced wall as bookshelf or cupboard as well.Having a place where other people outside family can enter the house freely is a revitalization of the connections of the people of the town that should originally live together. Coming and going to the house freely and have conversations to enjoy the town. So many people come to this town from outside and closed things are opened, and the liveliness is born.(photo by Hitoshi Kawamoto)
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A new life blown into thatched roofs 100 years ago
/ a two-family house/ Nara, Japan
Along with neighboring Kyoto, there are many world-famous historical shrines and temples in Nara, Japan. Not only are the world’s oldest timber buildings such as World Heritage Sites Horyuji Temple and Todaiji Temple found in Nara, but also homes of ordinary people built more than 100 years ago in several styles of vernacular architecture. Until about 60 years ago, many of these houses remained together to create a beautiful village landscape. However, in recent years these houses, abandoned due to a falling population and overall decline of the town, are being demolished due to concern over aging and insufficient seismic performance.
This project is to renovate a house built in the “Yamato-Mune” style, which has a steep thatched roof on top of a lower, flatter tiled roof, into a two-family house. We hope that the younger generation will continue to live in these updated traditional houses, rediscover the beauty and charm of the villages where these homes are gathered and bring the town to life again.
The steep-sloped, thatched roof houses resemble the shape of the low mountains surrounding the village. In addition to creating a beautiful landscape in harmony with nature, this style of roof has the ability to adjust the air of the indoor environment through a cooling function of heat vaporization and high insulation performance.
However, due to the shortage of thatched roof craftsmen and the difficulty of maintenance, including the cost of replacing thatched roofs, metal plates placed over the thatched roofs and secured with tension resulted in the loss of the original excellent air conditioning function. Furthermore, their beautiful appearance has disappeared from the landscape.
In this plan, we brought new life to the “Yamato Mune” by inserting a new monocoque structure inside the thatched roof in a nested manner to solve the problems of earthquake resistance and indoor air environment. At the same time, by once again showing the thatched roof to the people living in the surrounding village through the glass curtain wall of the facade, the important role, the thatched roof has, in creating the beauty of the village landscape was restored to its past significance.
(photo by Sasakura Yohei)
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Nishikura
It is a Sake storehouse that the owner’s house and a tasting room are hang from the hut trass of the roof.It is located at the west side of the storehouse built in the Kyoho Era. By stretching out ‘sintuka’ pillars from six pieces of hut trass and connecting with the second-floor’s beams, a space of 9m*15m without pillars is created for the storehouse at the first floor and same area is available at the second floor.To keep a vacant area for outwork, the upper space of the storehouse is used for other use different. NishiKura is buildt by the general traditional method of wooden construction and made only with materials circulated. Carpenters specialized in houses used local cedars to build a beautiful wooden trass without depending on the hardware considering fire.
As splendid wooden sake breweries existing adjacent to Nishi Kura , changing their internal functions with the times. We plan Nishi Kura for continued using while changing of the future function and can sustain for a long term. By following the design of the Kyoho Era Sake breweries , the past sake breweries and the street atmosphere are connected. The outwork space is sometimes used by the event of the town and NishiKura becomes a good background.A tasting room is set next to the residence where visitors can talk with brewers directly , intend to have relation with the town positively.
(photo by Sasakura Yohei)
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Wood block House
The house is designed for an elderly married couple, and their grand children that occasionally stay with them.The site is located in a housing district developed 30 years ago that kept the natural land form. Around the site, we can see beautiful retaining wall made of granite. I try to extend the exterior topography to the interior of the building.If day light diminishes, the shape of the structural shear wall that creates a relationship to the site’s stone wall , is projected onto the glass façade.Similar to retaining stone walls, this wall is best play equipment that kids enjoy to clime, pass under the hole , sit, and see distant scenery.
A Structural shear wall system of wooden blocks
This structural shear wall consists of ship-shaped wooden blocks. These blocks can be easily stacked without the help of skilled workers, and can be disassembled and assembled in different location if necessary. (photo by Hitoshi Kawamoto)
Wooden Wickerwork Wall System
I devised a Wooden Wickerwork Wall System to divede rooms as well as to serve as structural walls of the house. Each section is comprised of one tatami-size (900x1800mm)clip that weaves together to create walls that are easy to disassemble and reassemble wherever needed, with the exterior walls able to bear seismic load. The walls have openings where children can play or sit to look out in the distance, with breeze and light freely flowing through.
The wooden clip is made of mass-produced materials, such as plywood and triple-layer cross-laminated panels. By keeping the details simple, the clip is easy to duplicate or add on when necessary for renovation. To reduce labor, clips are factory-made just like furniture and ready to be assembled at the construction site.Wood is a commonly used material and is versatility makes it suitable for a variety of applications. This is an attribute that other materials like iron or concrete do not have. By designing work that optimizes the versatility of wood, such as this Wooden Wickerwork Wall System, I think that architects can create designs that are closely related to today’s diverse lifestyles as well as our ever-changing cityscapes. (JA 89 spring 2013)
House in Hanayoshino
20年前に山を切り開き開発された吉野山に程近い分譲地の外れに建つ住宅。プライベートなお客さんを食事やお酒でもてなす為のピザ釜やバーカウンターなどを設えた、通りに向かって全開する大きな三和土を併設している。周囲は吉野山や標高1000mを超える金剛山、葛城山に囲まれており、遠方に目を向けるとそれらの山々の景色を楽しむ事が出来る。一方近くに目を向ければ赤茶かグレイ色の屋根に茶系の壁を標準仕様とした切妻あるいは寄棟のほぼ同形状の2階建て木造住宅が建ち並ぶ。同じような型の2棟の家が前後に並ぶ姿は、周辺の分譲地のタイポロジーに溶け込んでいるようにも見えるし、2つのピークをもつ屋根のジオメトリーは金剛山、葛城山の山並みにも見える。床・壁・天井の1方向連続面がひとつの緩やかなまとまりを作り、そのまとまり同士が床・壁・天井のいずれかを共有しており、地形の特徴を表わす言葉で表現できるような場所が内外のあちらこちらに生まれている。造成により撤去されたであろう地場産の巨石を再びここに据え付け、基礎の残土を塗り重ね、新しい地形を作っている。街外れの造成地を、建物と一体化した開放的なランドスケープにより再生し、周囲の環境に魅力を与え活性化の起爆剤になる事を目指している。(写真撮影 笹の倉舎 笹倉洋平)
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TADASHI YHOSIMURA INTERVIEW WITH j.j.magazine GRAND HYATT SEOUL
1. Please Introduce ‘TADASHI YOSIMURA ARCHITECTS’ To Us.
TADASHI YOSIMURA ARCHITECTS is a Nara, Japan-based architecture office founded by Tadashi Yoshimura and Yihsuan Lin in 2006. We work in a former pharmacy, an old-fashioned traditional Japanese townhouse built about 200 years ago. We are now doing several projects, residence, renovation, town-planning, etc, utilizing local materials and traditional skills for our creation. Besides, not only in Japan but also in Korea and in Taiwan we have proposed several projects that architecture is as part of landscape, utilizing local building techniques and materials.
2. What Is Most Important To You When It Come To Building House?
First, residents feel safe, relax, rich, happy. Second, building connects to environment and nature.
3. The ‘WOOD BLOCK HOUSE’ Series Jump Off the Page. What Motivated You To Start This Project?
We are interested in integration traditional and contemporary. In Japan there are a lot of beautiful wooden buildings utilizing traditional wooden construction skills. But nowadays because of speed and cost, most houses are built without traditional techniques.
4. What Were You Trying to Portray Through ‘WOOD BLOCK HOUSE’ Project?
We were trying to integrate traditional skills and modern materials, creating new wooden structural system on limited budged, speedy. This structural wall consists of several wooden blocks that can be easily stacked without the help of skilled workers, and be disassembled and assembled in different location if necessary in the future. Now we try to apply this wooden block system to fast shelter after earthquakes.
5. Do You Believe That Architecture Could Be a Vital Element to change Social Environment?
I think that architecture is one of several important factors to change social environment. Today resources are limited, so we have to be aware of impact of architecture on nature and environment.
6. Building Nowadays Are Sky-high and Gigantic. Curved and Warped Lines Exude Beauty Whereas Candidly Straight Lines Loose Charm. Populated By Intimidating and Capacious Buildings Are The Urban Setting of Today. It Looks More Like a Construction Site Than Architecture?
It is important that architecture connects to its context. Not understanding the context makes ‘architecture’ just only ‘building’.
7. Could The Height of a Building Become a Standard To Distinguish Social Hierarchy?
In our time, not competition for impact of form but harmony with environment becomes a standard.
8. Recent Architecture Seldom Feels As If Is Built Not for the People but for the City’s Aesthetic. People Should Come First, And It Should Be Architecture for the People, However It Seems More like the Space is Built and People Are Forced into That Space. The Reason Why I wanted to Interview You Was Because You Seemed like a Person Who Would Pursue Humanism Architecture. Shaw I Understand Your Architecture as Humanish Architecture?
We always attach importance to dialogue. Dialogue makes projects better.
9. Architecture Environment in Japan Seems to be a lot different From That in Korea, Is There an Architecture Style That is Spot-Lighted Currently in Japan ?
there are so many architecture styles. Many of them are interested in sustainability.
10. What is The Definition of Architecture If you May.
Architecture is not just only building but the whole landscape including all environment of the building.
11. In This Modern Setting, What Would be a Healthy Architecture?
Healthy architecture connects to environment and nature, is built as a part of landscape, utilizing local materials and local building techniques, where we always feel nature.
12. Lastly, Are you an Architecture Who Follows Current Trends, or Are you an Architecture Who Creates Newness with Your Own Will, Regardless of Current Trends?
I am not interested in current trends. More important thing is how new space, new value of lifestyle can be created.(2011.12.21)
Cedar House
敷地は町全体が緩やかに南へ傾斜する見晴らしの良い素晴らしい住宅地の一角に位置します。新しい試みとして、周辺と敷地とを塀や柵で区切る事を止め高低差だけを境界とした上で、緩やかな斜路により周辺と敷地内とをあいまいに繋いでいます。周辺から敷地内に入り込んだ斜路はそのまま中2階のデッキテラスに接続するスロープへとつながり、道路の高低差を利用した重層的な床レベルや内外を複雑に行き来する回遊動線とあいまって、建物の中だけではなく、豊かな周辺環境全体の中に住んでいるような心地よい開放感があります。この建物は接着剤や合板を一切利用せずに、大きな気積の在来木造住宅を実現しています。自然素材の木造住宅といえど、現実には合板や接着剤に大きく頼っています。裏方が変われば表面のデザインにも変化が生じ、従来の木造住宅には見られない、新しい建築表現になったのではないかと思います。厚板の斜め張りや、貫壁など伝統工法を織り交ぜ、無垢材だけで構造上の解決を試みています。更にあらゆる2次部材を30mmをモジュールとして、木組みやビス止めで組み上げており、将来的な再利用やリノベーションに対応しています。(写真撮影 川元斉)
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Guryongpo Project
This is a proposal of town planning of Guryongpo area at Pohang City in Koria. This is an unbuilt. Guryongpo area is a Japanese Migrant Fishing Village Colony built about in the second half of the nineteenth century. Now we can see many Japanese style building, but many of them become too old for use. The purpose of this town planning is regeneration of Guryongpo area for tourism and conservation of historical street and buildings.First time we analyzed the space structure of this area from different angles by exhaustive survey with HangDong UniversityThis time we propose new scenic route, zoning and renovation of historical buildings utilizing local building techniques and materials, for example traditional industry of making wooden ships.
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